冬の澄んだ冷たい空気に包まれるようになると、ロンドンの街はクリスマスムード一色に染まります。この時期ならではの華やかな装飾と、ロンドンの美しい伝統的な建物が融合した景色はどこかノスタルジックで、ロンドンらしい魅力だと思います。
季節ならではの温かみのある装飾や、活気に満ちた街の様子を見るためにロンドンの街を散策してみました。多くの観光客もあちこちでその美しい装飾を楽しんでいる姿が印象的でした。
(紹介している写真の掲載は、順不同です)
ロンドンのクリスマスを回ってみた
ロンドンのクリスマスイルミネーションはいつからいつまで?
ロンドンのクリスマスイルミネーションは、一般的に11月初めから翌年1月初め頃までとされています。ただし、各エリアで一斉に点灯が始まるわけではないため、11月中旬以降に訪れると、多くの場所でイルミネーションを満喫できるかと思います。
イギリスでは「ハロウィーンが終わったらすぐにクリスマスムード」に切り替わるのが一般的です。ショップやスーパーマーケットもその例外ではなく、11月初めからクリスマスの装飾や商品の展開が本格化します。
レデンホール・マーケット (Leaden Hall Market)
ハリー・ポッターの「漏れ鍋」の撮影地として知られるレデンホール・マーケット。石畳、マーケットの華やかな屋根、ヴィクトリア調の美しい建築が印象的な場所ですが、クリスマスの時期になるとさらに際立ちます。
光り輝くツリーと華やかな電飾で飾られたマーケットは、とても幻想的です。
漏れ鍋の入り口として撮影された店舗の中には、ハリーポッター関連のアイテムが、普段の業務に差し支えない範囲でさりげなく飾られています。
ハロッズ (Harrod’s)
ロンドンのクリスマスと言えば、多くの人がハロッズを思い浮かべるかと思います。外観はイルミネーションで華やかに彩られ、遠くからでもその存在感が目に飛び込んできます。店内に足を踏み入れると、各フロアに工夫を凝らしたクリスマスディスプレイが並びます。
私にとってもロンドンのクリスマスと言えばハロッズが真っ先に思い浮かんでしまいます。というのも、昔の「ミスタービーン」のエピソードが頭に浮かぶからです。
ミスタービーンズがハロッズでクリスマス用品を買いに、クリスマスのセクションにやってきます。コミカルに色々な商品を手に取る中、クリスマスの電飾を試すために近くのコンセントを勝手に抜いた瞬間、ハロッズの豪華な外観のイルミネーションが一斉に消えて、煌々と明るかったハロッズが真っ暗になってしまうのです。
ハロッズの美しいオーナメントがたくさん並んでいて夢見心地になります笑。
コベントガーデン (Covent Garden)
いつも賑やかなコベントガーデンも、クリスマスシーズンには見逃せない場所です。天井から吊るされた巨大なオーナメントやきらびやかなイルミネーションがとてもゴージャスです。
セントポールズチャーチ(映画「マイ・フェア・レディ」の撮影場所)の前には大きなクリスマスツリーが飾られ、近くではストリートパフォーマンスが盛り上がりを見せていました。ショッピングや食事だけでなく、クリスマスらしい活気と楽しさを存分に味わえる場所です。
ニールズヤード (Neal’s Yard)
コベントガーデンを訪れたら、ぜひ一緒に立ち寄って欲しい「ニールズヤード」。「クリスマス」というテーマからは少し離れますが、カラフルな建物が並ぶかわいらしいスポットとして人気があります。昼間の明るい時間帯でも十分魅力的ですが、夜にはライトアップされ中庭が幻想的な雰囲気に包まれます。
ここでは日本でも人気の「ニールズヤード」のコスメを購入することができます。お土産として選ぶのもおすすめです。自然派のスキンケア用品は、肌に優しく使いやすいので贈り物として喜ばれると思います。
「Monmouth St」からのニールズヤードの入り口。小さいので見逃しやすいです。
どの角度から見ても素敵な建物に囲まれます。
「モンティ・パイソン(Monty Python:1960~70年代、イギリスで絶大な人気を誇ったシットコム)」のブルー・プラークがここに!
この場所でモンティ・パイソンのアニメーションの編集やレコーディングがおこなれていました。
キングスクロス駅 (King’s Cross Station)
ハリー・ポッターファンなら、ぜひ訪れたいのがキングス・クロス駅です。この時期、大きくて白い格子構造の天井がとても美しい駅に、クリスマスツリーが設置されています。
もちろん「9と3/4番線」のプラットフォームやその隣のショップも見逃せません。
隣接するセント・パンクラス駅もハリー・ポッターに登場するロケ地のひとつで、美しいゴシック建築が魅力です。二つの駅を巡るだけでも、充実した時間を過ごせると思います。
パディントン駅 (Paddington Station)
著名なエンジニア、イザムバード・キングダム・ブルネルによって設計されたパディントン駅は、1854年に開業しました。ビクトリア朝時代の建築を代表するこの駅は、錬鉄とガラスで構成された優雅な屋根が特徴です。
プラットフォーム1には、可愛らしいパディントン・ベアの像とベンチが設置されており、観光客にとって人気の撮影スポットとなっています。そのすぐ近くには「パディントン ベア ショップ」もあり、キャラクターグッズをお土産に選ぶことができます。
ブルー・ボール・ヤード (Blue Ball Yard)
セント・ジェームズにあるブルー・ボール・ヤードは、歴史が好きな人は見てみたいかもしれない隠れたスポットです。このひっそりとした路地には、馬車用と歩行者用の2つの入り口があるそうで、また、ロンドンに残る数少ないガス灯が残る場所でもあります。このエリアは17世紀後半に開発され、近くの王宮で働く使用人の住居や馬小屋が置かれていた場所として知られています。
ピカリング・プレイス(Pickering Place)
ピカリング・プレイスは、英国で最も小さな公共の広場と言われています。この隠れた中庭には、当時のガス灯が残り、ジョージ王朝時代の建築がそのままの姿で保存されています。静かな雰囲気の中、クリスマスの飾りが控えめに施されており、上品で落ち着いた空間が広がっています。
また、1845年にはアメリカに加盟する前のテキサス共和国の大使館が置かれていたという歴史的背景があり、小さな広場ながら非常に興味深いスポットです。狭い小道にひっそりと隠れているため、気をつけないと見逃してしまうかもしれません。
おわりに
ロンドンのクリスマスは、それぞれのスポットが独自の魅力を放っています。歴史と現代が見事に調和し、街全体が温かなイルミネーションの光に包まれるこの季節のロンドンは、まさに特別な時間を感じさせてくれます。