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チャールズ・テイラーのブレンド技術が生んだ老舗の紅茶ブランド

テイラーズオブハロゲート 紅茶 歴史

テイラーズオブハロゲート(Taylors of Harrogate)は、イギリスの老舗紅茶ブランドで、その豊かな歴史と高品質で世界中のティーラバーから愛されています。1886年に創設されたこのブランドは、創業者チャールズ・テイラーの地域に合わせたブレンド技術により、高品質な紅茶を提供し続けています。

テイラーズの歴史を調べてみると、その理由に納得します。

(画像:https://www.taylorsofharrogate.com/より)

目次

テイラーズオブハロゲートの始まり

1866年、ヨーク(York)で生まれたチャールズ・エドワード・テイラー(Charles Edward Taylor)は、兄ルウェリン(Llewellyn)の紹介で紅茶商「アシュビーズティー(Ashby’s Tea)」に従事しました。

アシュビーズティーは1850年にロンドンで設立された老舗ブランドで、世界の有名な茶葉産地から最高品質のお茶を輸入し、パッケージングしています。店舗やオンラインで購入可能なほか、ノーサンプトン郊外のザ・ファルコンホテルでアフタヌーンティーを楽しむこともできます。

ロンドン市場で取引を任された頃には、その地域の水に合った紅茶のブレンド方法といった知識や技術を身につけていました。しかし、彼のリスクのある買い付けスタイルを理由にAshbyから解雇されてしまいます。兄はチャールズを咎めることなく、むしろ資金を提供して個人でビジネスを始めることを提案しました。リーズ(Leeds)で働いていた父からの勧めでリーズでビジネスを始め、父はチャールズの事業を紹介しました。

こうしてリーズの小さな倉庫で「C. E. Taylor & Co.」が始まりましたが、父の支援があったにも関わらず、チャールズのビジネスは難航しました。

チャールズの手腕が光るテイラーズ

チャールズが目をつけたのが、ハロゲート(Harrogate)とイルクリー(Ilkley)でした。(現在、この2つの街は高級住宅街が多いです)特にハロゲートは上流階級が訪れる「スパ・タウン(温泉街)」であり、ホテルやスパが多く立ち並ぶこの地域では、当然ながらコーヒーやお茶の需要が高かったのです。
チャールズはそれぞれの街に「キオスク・カフェ」を開きました。毎日、窓辺でローストされるコーヒーの香りは行き交う人々を魅了しました。
土地の水に合った紅茶をブレンドしたことも成功の鍵であり、店を訪れた人たちが紅茶やコーヒーを試飲してから購入できるよう、特別なスペースも設けました。

当時は水道網が古く、水道水の味は地域によって異なっていました。チャールズは、最高品質の茶葉を購入し、ヨークシャー地方各地の水源に合わせてブレンドする才能に長けていました。その結果、地元からの信頼を勝ち取っただけでなく、1896年のロンドン食料品博覧会で金メダルを獲得しました。

チャールズはその後、ハロゲートのヴァリーガーデン(Valley Gardens)内のティーハウス、ロイヤル・バス(Royal Baths)内のウィンターガーデンズ(Winter Gardens)、そしてロイヤル・スパ・コンサート・ルームにもビジネスを展開しました。女性客を意識したこのようなサービスに注目したチャールズは、さらに2店舗を増やしました。1つはイルクリーに、もう1つは現在ハロゲートのベティーズ(Bettys)があるスコットランド城を模した建物に「カフェ・インペリアル(Cafe Imperial)」をオープンしました。

その頃、兄ルウェリンの2人の息子たちがビジネスに参加します。
ヨークシャー各地の食料品店がC.E.テイラーを訪れるときには、地元の水のサンプルを持参し、甥のローリーがその水に合わせて特別に紅茶をブレンドするようになりました。

テイラーズ・オブ・ハロゲートには、「They came to take our waters; they much prefer our tea.」というスローガンがありました。
「人々は我々の水が目的でやってくるのだ;彼らは我々の紅茶の方を好んでいる」と言っています。
当時、ハロゲートは多くの観光客や湯治客が訪れた人気の高級スパタウン。ハロゲートの鉱泉(water)が有名であることを背景に、やってきた人々はそこで提供される紅茶の品質に感動し、紅茶を楽しむために訪れるようになった」、「地域の水の評判を超えて、テイラーズ・オブ・ハロゲートの紅茶がより高い評価を受けてますよ」とほのめかしているのです。
実際にハロゲートの鉱泉もテイラーズ・オブ・ハロゲートの紅茶もどちらも品質が非常に高いため、納得のいくスローガンだと思います。

1962年にチャールズ・テイラーが亡くなると、ハロゲートの人気カフェであり当時のライバル会社でもあった「ベティーズ(Betty’s)」がC.E.テイラー & Co.を買収し、ベティーズ & テイラーズ(Betty’s & Taylors)が誕生しました。
ヨークシャーの二つの人気で高品質なサービスが融合し、より強力なブランドとなりました。

テイラーズオブハロゲートの主流のブランドである「ヨークシャーティー(Yorkshire tea)は1977年に立ち上げられました。当初は「ヨークシャーの人々のためのヨークシャーブレンド」として、さまざまな水に合うさまざまなバージョンの紅茶の独自ブレンドが考案されました。
チャールズテイラーの「地元の水に合わせた紅茶のブレンド方法」という経験と教訓が反映されていますね。

ヨークシャーティー Yorkshire tea

王室御用達(ロイヤル・ワラント)

2009年、ヨークシャーティーはチャールズ皇太子から王室御用達(ロイヤルワラント:Royal Warrant)の称号を授与されました。

また、2015年までにヨークシャーティーはテトリー(Tetley)とPGティップス(PG Tips)に次ぐ英国で3番目に売れているお茶ブランドにランクインし、2017年にはテトリーを追い抜き、PGティップスに次ぐ2番目に売れているブランドとなりました。

おわりに

紅茶に使う水を丁寧に研究して、そこに高品質な茶葉が加わればそれはもちろん美味しい紅茶になりますよね。
硬質の水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれており、これらが茶葉の風味を引き出し、紅茶に深いコクとまろやかな味わいを与えるため、美味しくなるそうです。

ヨークシャーティーは大きめのマグカップで淹れるのがおすすめです!

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