アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の推理小説「シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」は、世界的に有名です。
19世紀後半から20世紀前半にかけて発表された小説にもかかわらず、21世紀の今でも高い人気を誇り、最近のドラマや映画にも度々登場しています。
特にイギリスでは、著名人がシャーロック・ホームズの研究会で熱心に語り合ったり、論文を執筆するほどその影響力は大きいです。 こうした熱心なファンは「ホームジアン」や「シャーロキアン(Sherlockian)」と呼ばれています。
もし一度でもシャーロック・ホームズを読んだことがある、または映画を観たことがあるなら、ロンドンを訪れた際に「シャーロック・ホームズ博物館」にもぜひ立ち寄ってみてください。
ベイカールー線(Bakerloo line)のベイカー・ストリート駅(Baker Street)から歩いてすぐなので簡単に行くことができます。
シャーロック・ホームズ博物館とは
シャーロック・ホームズ博物館は、シャーロック・ホームズを記念した博物館です。
19世紀のヴィクトリア時代の住居を再現しており、シャーロック・ホームズとワトソン博士の部屋のほか、多くの物語に関連するアイテムや展示物が含まれています。館内では、シャーロック・ホームズの冒険やエピソードに登場するさまざまな場面やアイテムを体験することができ、作品を知っている人なら思わず「これだ!」と感じると思います。
この博物館は、シャーロック・ホームズファンだけでなく、ロンドンの歴史や文化に興味を持つ観光客にも人気のスポットです。使用されている建物は、この通りで唯一現存するビクトリア様式の建物で、かつて実際に下宿屋として使われていました。
所要時間は1〜2時間ほどですが、シャーロック・ホームズファンであれば、さらに時間をかけてじっくり楽しめると思います。
ベイカー・ストリート221b番地(221b Baker Street)
博物館はロンドンの「ベイカー・ストリート221B(221B Baker Street)」に位置しています。物語の中で、シャーロック・ホームズと彼の相棒ジョン・H・ワトソン博士が住んでいた場所として頻繁に登場する、象徴的ともいえる住所です。
しかし、物語が書かれた当時、この住所は実際には存在しませんでした。架空の住所でありながら、「世界で最も有名な住所」とも呼ばれるようになりました。
実際に博物館があるのは「ベイカー・ストリート237〜239番地」ですが、シャーロック・ホームズの物語が非常に人気を博し、ベイカー・ストリートを訪れるファンが増えたことで、1990年代にロンドン市は公式にこの博物館に「ベイカー・ストリート221B」の住所を与えました。そんな柔軟なことができてしまうんですね!
シャーロック・ホームズ博物館への行き方
ベイカー・ストリート駅の「Marylebone Road側」に出ると、シャーロック・ホームズの銅像が見えます。その銅像を右手に進むと、すぐに「Baker Street」に出ますので、右に曲がります。
注意:Marylebone Roadを渡った先にもBaker Streetがありますが、そちらに行ってしまうと逆方向になります。道は渡る必要はありません。昔、私は間違えて渡ってしまって逆方向を延々と歩いたことがあります笑。
博物館に到着すると、緑地に金文字の気品ある外装が見えてきます。そして、入り口には「221b番地」と書かれたサインがしっかりと掲げられています。
入り口には、ヴィクトリア時代の警官のようなユニフォームを着たスタッフが立っています。
上部にはシャーロック・ホームズのブルー・プラークが掲げられています。なんとも粋な演出です!
イギリスでは、著名な人物がかつて住んでいた家や、歴史的な出来事があった場所に「ブルー・プラーク(blue plaque)」というサインが設置されます。チャールズ・ダーウィンやイアン・フレミング、ビートルズ、ジミ・ヘンドリックスなど・・・。ロンドンの街を歩いていると、こうしたブルー・プラークをあちこちで目にすることができ、とても楽しいものです。
このプラークには「シャーロック・ホームズ、探偵、1881-1904」と刻まれています。通常、人物の生誕年と没年が記されますが、この場合は、アーサー・コナン・ドイル卿がシャーロック・ホームズの物語を書いた「1881年から1904年」という期間を示しているようです。
「シャーロック・ホームズ博物館」のお土産も!さすが紳士の国イギリス
ギフトショップには、素敵なデザインのアイテムが揃っています。ホームズファンでなくても、思わず手に取ってしまいそうな帽子やパイプ、「221B」の住所が刻印されたプレート、文房具、キーホルダーなど、日常使いできるものがたくさんあります。
「ザ・観光地のお土産」っぽくないので、お土産としても喜ばれると思います。公式サイトのショップページ(https://shop.sherlock-holmes.co.uk/)で、どんなグッズがあるかチェックしてみてください。
ベイカー・ストリート駅にもシャーロック・ホームズが!
最寄り駅の「ベイカー・ストリート駅(Baker Street Station)」を利用するなら、ぜひ駅で「シャーロック・ホームズ」を探してみてください。
駅前のシャーロック・ホームズ
ベイカー・ストリート駅の入口近くには(Marylebone Rd側)、シャーロック・ホームズの銅像が立っています。
1999年に設置された高さ約3メートルのこの銅像は、ホームズが象徴的に着用しているインバネスコートとディアストーカーハットを身につけ、片手にパイプを持った姿を表現しています。人気の写真スポットなので、いつも駅前で写真を撮る人が集まっています。
プラットフォームのシャーロック・ホームズ
ベイカールー線(Bakerloo Line)のプラットフォームに、シャーロック・ホームズのシルエットを見ることができます。
ディアストーカー帽子を被り、パイプをくわえているホームズの有名なシルエットです。
雰囲気たっぷりのベイカー・ストリート駅
ベイカー・ストリート駅は、1863年1月10日に開業した世界初の地下鉄「メトロポリタン鉄道(MR)」の最初の駅の一つであり、歴史的に重要な駅です。
ヴィクトリア時代のデザインが部分的に残されており、特にハマースミス&シティ線やサークル線(Hammersmith & City Line/Circle Line
)のホームでは、その特徴を見ることができます。アーチ型の天井やレンガ造りの壁、レトロなゲートやベンチなど、まるで当時の人々がプラットフォームに立っているかのような雰囲気が漂っています。
シャーロック・ホームズ博物館のチケットはいくら?予約は必要?
現在(2023年8月現在)のシャーロック・ホームズ博物館の入場料は、以下の通り:
・大人 16ポンド
・子供(6-15歳) 11ポンド
・子供(6歳以下) 無料
・シニア(65歳以上、大学生、身体障がい者-いずれもID要) 14ポンド
・障がい者の付き添い 無料
10年くらい前までは「大人6ポンド」だったのに値上がりしましたねー。
でも、建物の様子や、シャーロック・ホームズやワトソン博士ゆかりのアイテムなど、見ておきたいものが盛りだくさんなので、それだけの価値はあるかなと思います。
公式サイトでは「予約は必要ない」と言っていますが、個人的に、いつも入場待ちの列があるような印象です。時間に余裕をもっていくのがお勧めです。