「ヨークシャー観光を考えている」もしくは「ハロゲートを訪ねる予定」なら、ナーズバラ(Knaresborough)に立ち寄ることを強くおすすめします!
歴史あるナーズバラは、その美しい景観と魅力的な町並みが訪れる価値があります!特に、高架橋の眺めはイングランドでも最も美しい渓谷の一つで、まるで映画のように見事です。また、ノルマン朝時代に建てられたナーズバラ城(現在は廃墟)や趣のある街並みなど見どころがたくさんです。
さらに、マザー・シップトンの洞窟は数年前に日本テレビの「イッテQ!」でも紹介されました。
「ナーズバラ(Knaresborough)」とは?
ナーズバラ(Knaresborough)はイギリスの北ヨークシャー州にある、深い歴史を持つ小さな町です。リーズ(Leeds)やヨーク(York)といった大都市から北に位置し、ハロゲート(Harrogate)からは車で約10分の距離にあります。
この町はニッド川(River Nidd)沿いにあり、豊かな自然と絵のように美しい風景が特徴です。観光地としても人気があり、多くの人々が訪れます。
ナーズバラの名前は、1086年のドゥームズデイ・ブックに「Chenaresburg」としてすでにその記録があり、歴史が古い町です。中世のノルマン朝時代には、ナーズバラ城が建てられ、この地域の重要な要塞として機能しました。。「バーグ」という接尾辞は、サクソン語で要塞化された集落を意味する「バー」に由来しています。「Cenheard の要塞」を意味しているそうです。
17世紀から隣町のハロゲートがスパ・タウンとして全国的に有名になりましたが、それ以前はナーズバラの城が王室に使用されており、ハロゲートは「ナーズバラの森」と呼ばれるような場所で、森や湿地帯が王室の狩りや散歩に使われていました。
電車で訪れるのがおすすめ
ナーズバラへのおすすめの移動手段は電車です。ハロゲートから2駅で到着します。
電車がニッド川を横切る高架橋(冒頭の写真です)を進む際には、ナーズバラ駅に近づいたら窓から外の景色をぜひ眺めてください。その美しさは圧巻です。また、川沿いから高架橋を見上げる写真撮影もおすすめです。
町内にはいくつか駐車場がありますが、町中心のマーケット近くが便利です。
「Castle Yard」駐車場は、ナーズバラ城と高架橋が一望できるスポットのすぐ近くにあり、おすすめです。
電車の場合は、駅からマーケットを通り、ナーズバラ城、川沿い、(マザー・シップトン洞窟)、再び駅に戻るルートがおすすめです。車の場合は、「Castle Yard」駐車場からナーズバラ城、川沿い、(マザー・シップトン洞窟)を訪れ、最後にマーケットを巡ると、主要なスポットを効率よく見ることができます。
ナーズバラ(Knaresborough)の見どころ
絵のように美しい街並み
町は中世の街路レイアウトを保持しており、狭く曲がりくねった道が歴史的な雰囲気を醸し出しています。中世、ジョージ王朝時代、ビクトリア朝時代の建物が混在し、絵のように美しい街並みが広がっています。そのため、歩いてみて回るだけでも楽しめると思います!
数年前、マーケットタウンのセルフ・ケータリング(Airbnbのような)に1週間滞在しました。それは400年前の建物で、階段や柱があちこち曲がっていてとても趣深かったです(残念ながら、画像データが壊れてしまいました涙)。
マーケット・スクエア
ナーズバラの町の中心にはマーケット・スクエアがあり、その歴史は中世にまで遡ります。1310年にエドワード2世が町に市場許可を与えたことで始まり、ナーズバラ・マーケットはイギリスで最も古いマーケットの一つとなっています。毎週水曜日の午前7時30分から午後3時までマーケットが開かれ、新鮮な農産物や家庭用品などを販売する屋台が並びます。
パブリックアート
町には「トロンプ・ルイユ・トレイル(Trompe L’oeil Trail)」があり、ナーズバラの歴史上の人物や出来事を描いたパブリックアートを楽しむことができます。これらのアートは、街に創造的で文化的な雰囲気を加えています。Trompe L’oeil Trail (pdf)
ブラインドジャックとマザーシップトンの像
マーケット・スクエアには、ベンチに座った「ブラインド・ジャック」と「マザー・シップトン」の像があります。
ブラインド・ジャック(ジョン・メトカーフ)
「ブラインド・ジャック」として知られるジョン・メトカーフ(John Metcalf)は、18世紀の著名な道路技師です。6歳から盲目であったにもかかわらず、彼は優れた触覚と聴覚を駆使して地形を把握し、記憶力を活かして道路計画を行いました。彼はアシスタントを雇い、測量を行いながら耐久性の高い道路を築きました。隣町のハロゲートを含むイングランド北部の道路網を整備し、交通インフラの発展に大いに貢献しました。
マザー・シップトン
「マザー・シップトン」として知られるウルスラ・サウセイルの像もここにあります。彼女については後述しています。
イギリス最古の薬局(Ye Oldest Chymist Shoppe in England)
1720年に開業した「オールド・ファーマシー」は、イギリス最古の薬局として知られています。薬局としての営業は1977年に終了しましたが、昔ながらの薬やお菓子を販売しています。急で狭い階段を上ったところにカフェ「The Lavender Room」があります。昔ながらの建物で、天井が低い部屋にテーブルが所狭しと並んでおり、趣のある空間が広がっています。
私は大きなマグカップに注がれたコーヒーと一緒にスコーンやケーキを注文しました。ラベンダー風味のスコーンを注文しようかどうか迷いましたが、それは次回のお楽しみということで。
ナーズバラ城
ナーズバラ城は、12世紀にニッド川の崖上に築かれ、王室の要塞として使用されていました。現在は遺跡となり、城跡からは美しいニッド川とそれに架かる高架橋を望むことができます。城内を歩くと、緑地の中心に出撃路の入り口があり、建物全体の堅牢さを感じることができます。
ジョン王(第3代イングランド王、失地王)はナーズバラを頻繁に訪れ、近隣のナーズバラの森(現在のハロゲート付近)で狩りを楽しんでいました。また、ジョン王が1210年にナーズバラ城で最初の「マウンディ・マネー」を貧しい人々に配ったことでも有名です。
この城で最も有名な囚人はリチャード2世です。彼は従兄弟のヘンリー・ボリングブルック(後のヘンリー4世)によって廃位され、ナーズバラ城に幽閉されていました。
ジョンの死後、リチャード2世が彼の領地を接収したため、ジョンの息子ヘンリーが反乱を起こしリチャードを廃位しました。リチャードは一晩ナーズバラ城に囚われ、その後ポンテフラクト城で殺害されました。
その後、城は軍事的な役割を失いランカスター公爵領の行政中心地として機能しました。1644年に城の多くが破壊されました。
1826年には画家ターナーが廃墟になった城を描いています。
現在、城の敷地はボウリング場を含む公共公園として利用されています。ナーズバラの歴史を学べる博物館では、町の歴史やブラインド・ジャック(ジャック・メトカーフ)についても知ることができます。
高架橋(Knaresborough Viaduct)
穏やかなニッド川の上に架かる美しい石造りの鉄道橋です(1851年完成)。
タイミングが合えば、高架橋の上を電車が通過する様子が見られ、それもまた絵になる光景です。ナーズバラ上の崖から眺めるニッド川の峡谷の景色は、英国で最も美しい景色の一つで、息をのむほどの美しさです。
ニッド川沿い
川沿いを歩くのはいつも気持ちが良く、川をゆっくり進んでいくボートや高架橋を見上げる景色は素晴らしいものです。また、崖の側にある家々を眺めながら歩くのも素晴らしい体験です。古い家や藁ぶき屋根の家、そして崖に埋め込まれるように建てられた家やガレージを見つけるのは、本当に楽しい発見です。
マザー・シップトンの洞窟
ニッドの川沿いを歩くと、マザー・シップトンの洞窟(Mother Shipton’s Cave)に到着します。この洞窟はナーズバラの観光名所として広く知られており、1630年から一般に公開されています。
「イングランドで最も古い観光名所の一つ」とされていますが、ストーンヘンジやバース、タワー・オブ・ロンドン、ヨーク・ミンスター、カンタベリー大聖堂、ハドリアヌスの壁など、他にもっと古い観光地もあるため、ギフトショップやチケット売り場が「最古」であるという意味なのかもしれません。
この洞窟には、薬草療法や呪文を作り、未来を予言したウルスラ・サウセイル(通称マザー・シップトン)が住んでいたとされています。そのため、何百年もの間、多くの人々が彼女が生まれた洞窟を訪れてきました。
隣接する井戸(Dropping Well)の水は硫酸塩と炭酸塩を豊富に含んでおり、この水に触れると物がゆっくりと石化するという不思議な現象が見られます。観光客は物を置いたり、水が落ちてくる場所に物を吊るしたりして、石化の過程を楽しむことができます。
洞窟と井戸の周辺は美しい自然が広がっているので散策も楽しめます。この場所は数年前、日本テレビの「イッテQ」でも取り上げられました。
マザー・シップトンが架空の人物ではないかという説もありますが、1537年にヘンリー8世が「ヨークの魔女」について言及した手紙があり、これがマザー・シップトンを指しているのではないかと考えられています。また、1666年のロンドン大火の調査に関して、サミュエル・ピープスの日記に王室の人々がマザー・シップトンの予言について話し合っているとの記録もあります。
マザー・シップトンの予言にはいくつか有名なものがありますが、多くは伝説やフィクションとして扱われているようです。1666年のロンドン大火や1588年のスペイン無敵艦隊の敗北、さらには近代技術の出現を予言したとされていますが、彼女が亡くなった後に出版された17世紀と19世紀の伝記には、著者による創作が含まれていたことが認められているため、これらの予言の信憑性については歴史家や研究者の間で議論があります。
おわりに
ナーズバラは歴史と自然が融合した美しい町で、日帰り旅行や短期の観光に最適です!
旅行サイトのレビューには「マザー・シップトンの洞窟」の入場料が高いとの意見が何件かありましたが、訪れる前に公式ウェブサイトで料金や割引情報を確認してみてください。