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テイラーズ・オブ・ハロゲートとベティーズの深い関係:高品質をキープする理由

ハロゲート ベティーズ Harrogate Betty's

ハロゲートの中心街にある老舗人気カフェ「ベティーズ(Bettys)」では、「テイラーズ・オブ・ハロゲイト(Taylors of Harrogate)」の紅茶が提供・販売されています。
私が最初にテイラーズ・オブ・ハロゲイトの紅茶に触れたとき(「買った」もしくは「飲んだ」のですが20年近く前のことなのでうろ覚えです)、知人のイギリス人が「これはベティーズの紅茶だよ」と教えてくれました。

「ベティーズがあんなに有名なんだから、ベティーズブランドで販売すればいいのに」
と当時は不思議に思ったものの、ベティーズとテイラーズ・オブ・ハロゲイトの関係とそれぞれの歴史を調べてみると、その理由がよく分かります。

目次

ベティーズの始まりと成功

幼いころに両親を亡くし孤児となったフリッツ(後のフレデリック・ベルモント氏)は、14歳でパン職人の訓練を受け、18歳でパリとマルセイユで製菓の修行を積んだ後、イギリスへ渡りました。しかし、仕事の推薦状を紛失してしまい、ブラッドフォードにたどり着くことになります。才能に恵まれたフリッツはすぐに仕事を見つけ、その後ハロゲートに移住しました。

第一次世界大戦が勃発して間もなく、フリッツはイギリス市民権を取得し、「フレデリック・ベルモント(Frederick Belmont)」と改名します。1916年には、家主の娘クレア・アップルトンと結婚し、1919年にハロゲートで最初のカフェ「ベティーズ」を開業しました。

このカフェは、その高い品質と優れたサービスでたちまち評判となり、王室メンバーがグランドツアーの途中に立ち寄ることも多くなりました。戦時中はビジネスが難航することもありましたが、それでもフレデリックのカフェは成功を収めました。

テイラーズの始まりと成功

一方、テイラーズは1886年にチャールズ・テイラー(Charles Taylor)によって設立されました。
1866年創業の「C. E. Taylor & Co.」は、ヨーク出身のチャールズ・エドワード・テイラーが地域の水に合わせた紅茶のブレンド技術の重要性に着目してスタートしました。

ハロゲート(Harrogate)やイルクリー(Ilkley)は上流階級が訪れる「スパ・タウン(温泉街)」であり、お茶の需要が高まりました。テイラーはヨークシャー地方各地の水源に合わせた紅茶のブレンドの才能を発揮し、店を訪れた人たちが紅茶やコーヒーを試飲してから購入できるよう、高品質なサービスを提供しました。

ハロゲートでは「カフェ・インペリアル(Cafe Imperial)」をオープンし、紅茶好きが目指す目的地にもなりました。

ベティーズとテイラーズの合併

1962年、チャールズ・テイラーが亡くなった後、ベティーズの経営を引き継いだフレデリックの甥、ビクター・ワイルド(Victor Wild)は、C.E.テイラー&コーを買収しました。これにより、「ベティーズ&テイラーズ(Bettys & Taylors)」が誕生しました。

このグループは現在フレデリック・ベルモントの家族が所有しています。
テイラーズ オブ ハロゲートがベティーズに買収された後もその名前が維持されたのは、いくつかの戦略的な考慮によるのではと思われます。
例えば「テイラーズオブハロゲート」を維持することで、既存の認知度や顧客の信頼をそのまま取り入れることができ、また、テイラーズは紅茶とコーヒーに特化、ベティーズはティールーム、ベーカリー、菓子に特化させることでそれぞれの専門製品を提供し続けることもできました。

これによりベティーズとテイラーズのそれぞれの豊かな歴史と高品質なサービスを融合させてより強いブランドになったと思います。加えて、名フブランドを分離させることでそれぞれの強みのある分野でマーティングを効率的に行うこともできるかと思います。

ベティーズ&テイラーズの魅力

ベティーズは、ハロゲートのタウンセンターのほぼ中心に位置する1919年にオープンした老舗カフェです。その歴史と魅力で多くの人々に愛されており、お店の前にはいつも列ができています。

ベティーズの魅力は、ただのカフェにとどまらず、伝統的なアフタヌーンティーをはじめ、手作りのケーキやスイーツ、サンドイッチ、軽食、さらにはフルコースの食事まで幅広いメニューを提供している点にあります。
特にアフタヌーンティーは定評があり、焼きたてのスコーン、フィンガーサンドイッチ、厳選された上質な紅茶をアールデコ調のデザイン、ステンドグラスの窓、磨き上げられた木材の優雅な雰囲気の中で楽しむことができます。

また、ベティーズはペストリー、ケーキ、デザートも豊富で、スイスチョコレートトリュフトルテからフルーツタルトまで、甘いものが好きな人にはたまりません。ベティーズのチョコレートは手作りで、プラリネ、トリュフ、マジパンなどを楽しむことができます。
おしゃれなパッケージのギフトセットも多く、自分用に買いたくなるほどです。

ベティーズはハロゲート以外にも、ヨーク、イルクリー、ノースアラトンに店舗を展開しています。これらの店舗も1920年代から1930年代にかけてオープンし、それぞれの地域でも人気を博しています。
ハロゲートには、ハーロウ・カー(Harlow Carr)内にも店舗があります。

ベティーズの営業時間

カフェ(Café Tea Rooms and Shop):
– 日~木: 9:00~17:00
– 金: 9:00~18:00
– 土: 9:00~19:00

ショップ:
– 日~木: 9:00~17:30
– 金: 9:00~18:00
– 土: 9:00~18:00

モンペリア・カフェ・バー(Montpellier Café Bar):
– 11:00~23:00(月~土)
– 食事提供時間: 12:00~18:00(毎日)

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