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ハロゲート・ヴァリー・ガーデンズ:ジャパニーズ・ガーデン、鉱泉、エルガーウォークを巡る

ハロゲート ヴァリーガーデンズ

ハロゲートを訪れるなら、ぜひヴァリー・ガーデンズ(バレーガーデン)を見逃してはもったいないです。
ビクトリア朝様式の歴史ある公園で、美しい花の庭園や森林の歩道が広がるだけでなく、数多くの鉱泉が湧き出る場所としても有名です。スパ・タウンとして栄えたハロゲートの全盛期を感じられる場所で、園内には復元された井戸頭やビクトリア朝ゴシック様式のポンプ室が点在します。

その他にも、サン・パビリオン、サン・コロネードといった歴史的建造物やジャパニーズ・ガーデンがあり、イングリッシュヘリテージグレードII指定庭園で、国内で数々の賞を受賞しています。
ハロゲートの中心街からほど近い距離にありながら、その規模は17エーカーにも及び、ハロゲートの文化・歴史・自然の豊かさを体験することができます。

目次

ヴァリー・ガーデンズへの行き方:中心街から

ハロゲートの中心街にある「ベティーズ(Betty’s)」本店の横の坂を下ると、大きなラウンドアバウトが見えます。
ラウンドアバウトの向かい側にドーム型八角形の美しい「ロイヤル・ポンプ・ルーム博物館(Royal Pump Room Museum)」があり、その先にガーデンの入り口が見えます。(かつてはロイヤル・ポンプ・ルームからガーデンの中心の「ボグス・フィールド(Bogs Field)」まで小道で繋がっていました。)

ヴァリー・ガーデンズ周辺(コーンウォール・ロード(Cornwall Rd)とヴァリー・ドライブ(Valley Drive))はディスク・ゾーン指定なので路上ディスク駐車が利用できます。駐車場を利用する際には道路沿いの標識を確認してください。
コーンウォール・ロード、またはヴァリードライブ(キング・エドワードVII記念門)にも入り口があります。

バリーガーデンズの見どころ

エルガーも好んだ小道:エルガーウォーク(Elgar Walk)
公園の入口に入ると、緩やかな登り道と下り道に分かれています。下り道は小川沿いを歩く道で、「エルガー・ウォーク」と呼ばれています。この名前は、イギリスの偉大な作曲家エドワード・エルガー卿が1927年以前にハロゲートを頻繁に訪れていたことを称えて付けられました。エルガーの「威風堂々」は一度は聞いたことがありますよね?
(ちなみにエルガーは、マジェスティック・ホテル(The Majestic Hotel:現在はヒルトン・マジェスティック・ホテル)に滞在したとのこと)

ヴァリーガーデンズ エルガーロード

新マグネシア・ウェル・パンプ・ルーム(New Magnesia Pump Room)
エルガー・ウォークの終点には、1895年に建てられた美しい銅屋根の円形建物、新マグネシア・ウェル・パンプ・ルームがあります。かつてはマグネシアなどの鉱泉の水を供給していましたが、現在はリプリー・アイスクリーム&カフェ(Riply Ice Cream & Cafe)になっています。以前は紅茶ブランドのテイラーズが運営していました。(テイラーズは元々、現在のハロゲートのBetty’sがある場所やイルクリーでおしゃれな紅茶とコーヒーショップを運営していました。)

マグネシア・ウェル・カフェの裏には小さなボート湖があり、あらゆる年齢のボート愛好者に人気です。その湖を過ぎると、ジャパニーズガーデンが見えてきます。

ジャパニーズ・ガーデン(「しじま」の庭(静寂の庭))
「しじま」は「静まり返っているという意味の大和言葉」です。
ガーデン内にはジャパニーズ・ガーデンが1930年代から存在していました。ナショナル・ロッタリー・ヘリテージ・ファンド、ハロゲート自治区議会、日本庭園協会、その他多くの個人や団体の協力を得て、ジャパニーズ・ガーデンを復元し、2018年に日本大使によって再オープンされました。
2016年から始まったこのプロジェクトは、地域コミュニティの積極的な関与のもと、伝統的な日本式庭園の特徴を取り入れる形で再設計されました。

ニュージーランド ガーデン(Newzealand Garden)
1954年、第二次世界大戦中にハロゲートに駐留し、命を落とした23名のニュージーランド空軍兵を称えるため、ハロゲートとニュージーランドの絆を象徴するニュージーランドガーデンが創設されました。23名はストーンフォール墓地に埋葬されています。
ハロゲートの姉妹都市であるウェリントンからの植物を使って作られました。

オールド・マグネシウム・ウェル・ポンプ・ルーム(Old Magnesia Pump Room)
グレードII指定のゴシック様式の建物は1858年にオープンしました。
隣接する井戸からマグネシア水を供給していましたが、1895年に新しいマグネシア・ウェル・ポンプ・ルームに取って代わられました。資金提供団体やボランティアの協力を得て修復され、この建物にはヴァリー・ガーデンズの歴史を説明する情報教育センターが含まれています。
周囲のピートガーデンのロックガーデンにはマグネシア水貯水池が隠れています。

ヴァリーガーデン ズジャパニーズガーデン
ジャパニーズガーデン「静寂の庭」入り口
Valley gardens Japanese garden shijima no niwa
「静寂の庭」
Valley gardens Japanese garden

サン パビリオン(Sun Pavilion)、サン コロネード(Sun Colonnade)、バンドスタンド(Bandstand)
これらの建物はすべて1933年に建てられました。サン・パビリオンは非常にエレガントなカフェでしたが、60年代に荒廃。宝くじ遺産補助金を受けて元々のヴァリー・ガーデンズ友の会によって修復され、1998年に女王によって再開されました。
現在では結婚式やパーティーの会場として人気です。
サン・コロネードの屋根は全面ガラス張りで、かつてはロイヤル・バス・ホスピタルからロイヤル・ポンプ・ルームまでの部分的に屋根付きの通路を提供していました。このエレガントなアーケードには、藤とアジサイが飾られています。
バンドスタンドの貝殻型デザインは演奏者を天候から守り、良好な音響を提供します。夏のほとんどの日曜日の午後には、ここでバンドが演奏します。芝生に座ってのんびり演奏を聞くことができます。

バリーガーデンズの由来

ハロゲート ヴァリー・ガーデン
古いポストカードより「Tea House, Valley Gardens」 賑わっていたヴァリー・ガーデンズ

ヴァリー・ガーデンズの名前は、「ヴァリー(バレー=谷)」に由来しています。ハロゲートの街全体も坂道の多い地形です。

現在、ヴァリー・ガーデンズの中心部には「ボグス・フィールド(bogs field)」という庭園エリアがあり、かつてこのエリアはハーロー・ヒルからの自然な排水と多数の鉱泉によって形成された湿地帯でした。「ボグス(bogs)」は「沼地(bog)」の複数形で、この地域のあちこちで鉱泉が湧き出し、湿地や沼地が広がっていたことから歴史的に「ボグス・フィールド」と呼ばれていました。

ハロゲートがまだ「ナーズバラの森」と呼ばれていた時代、この地には木々が生い茂り、谷や丘が点在し、あちこちに鉱泉が湧く沼地が広がっていたことが想像できます。とても恵まれた地形だったのではと感心してしまいます。

ボグス・フィールドには、ハロゲートにある88の鉱泉のうち36がこの地域に集中しています。これらの鉱泉はそれぞれ異なる鉱物組成を持ち、1652年にはジョン・フレンチがこの地域について詳細に記録し、硫黄や硫酸を含む泉があると報告しました。彼はさらに発掘すれば新たな泉が発見される可能性があるとも述べています。

18世紀になると観光地としての人気が高まり、周辺地域の整備が進みました。オールド・サルファー・ウェル(現在のロイヤル・ポンプ・ルーム博物館)とボグス・フィールドを結ぶ歩道は観光客に好評で、19世紀にはこのエリアに木や低木が植えられ、現在の美しいヴァリー・ガーデンズの始まりとなりました。
また、鉱泉の一部はパイプで近隣の浴場に供給され、近くにあったロイヤル・バス・ホスピタル(Royal Bath Hospital、現在は住宅施設)にも使用されていました。しかし、1971年までにハロゲートの温泉は衰退し、多くの井戸が埋められました。ボグス・フィールドの井戸も芝刈り機の作業を妨げるという理由で埋められましたが、地下には今も古代の配管が残り、鉱泉水が存在するはずです。

オールド・マグネシア・ウェル・ポンプ・ルームの近くには、マグネシア・ウェル(Magnesia Well)とピュア・カリビート・ウェル(Pure Chalybeate Well)を覆うレプリカの井戸蓋を見ることができます。

ハロゲート valley gardens マグネシア・ウェル
Old Magnesia Well Pump Room
ハロゲート valley gardens マグネシア・ウェル
Magnesia Well
ハロゲート valley gardens カリビート・ウェル
Pure Chalybeate Well

大人も子供も楽しめる施設

ヴァリー・ガーデンズは、一年中オープンしています。
夏季には野外コンサートが無料で楽しめるイベントがあり、日曜の午後(6月から8月)には多くの人々が音楽を楽しみに集まります。
園内には、子供用のプレイエリア、水遊びプール(夏季)、テニスコート、ピッチ&パット、ミニゴルフ、スケートボードエリア、大人も楽しめるボート池など、家族で楽しむことができる施設が充実しています。

ガーデン内には一年を通じて季節の花々が咲き誇ります。ヴァリー・ガーデンズは、生物の多様性を高めるようにデザインされており、野生生物が生息しやすい環境が整えられています。これにより、植物の生存に有益な昆虫の生息地も提供され、自然の相互作用が見事に調和しています。特にネクターバーは蜜蜂や他の受粉昆虫を引き寄せるために設計された場所で、豊かな生態系を育んでいます。

また、美しい景観や手入れの行き届いた庭園、豊富な歴史的要素などが評価され、複数の賞を受賞しています。
ヴァリー・ガーデンズは、イギリスで権威ある「グリーンフラッグアワード(Green Flag Award)」を何度も受けており(優れた管理と美しい景観を備えた公園や緑地に贈られる)また、ハロゲート自体が「ブリタニア・イン・ブルーム(Britain in Bloom)」という全国的なガーデニングコンテストでも繰り返し受賞しています。

ヴァリー・ガーデンズからPinewoods(松林)を経てハロゲートの北部を展望するウォーキングコースも人気です。ウォーキングを進めていくと「ハーロウ・カー・ガーデン(Harlow Carr)」にたどり着きます。
美しい自然を堪能しながら運動することができます。

おわりに

お弁当を持ってピクニックを楽しむのもいいですし、ガーデン内のカフェや街方面に出て食事をする場所もたくさんありますので、充実した1日を過ごすことができます。

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